TIS株式会社

秒間3.5万プッシュの圧倒的な容量と安定性
REST APIで金融機関向けソリューションに応用

2018.7.19

東京都新宿区に本社があるTIS株式会社様は、金融業界を中心に40年以上のITノウハウを蓄積している国内大手システムインテグレーター。国内企業を中心にシステムによる成長戦略を提案し、さまざまなソリューションを開発してきました。現在は中国・ベトナム・インドネシアでも拠点を持ち、よりスピーディなシステム構築とサービス展開をめざしています。

2017年11月に「BoltzEngine」を導入し、2017年3月リリースのソリューション「CARD×DRIVE(カードドライブ)」で活用されています。プッシュ通知に注目されたきっかけや導入のポイントについて、サービス事業統括本部 ペイメントサービス事業部 ペイメントサービス企画部 主査 内川健志様、同部 上級主任 川本亮輔様、同部 大山弘貴様にお話を伺いました。

御社が展開する「CARD×DRIVE」はどういったソリューションなのでしょうか。

内川「CARD×DRIVE」はスマートフォンで自分の決済カード(クレジット、デビット、プリペイドなど)を管理できるソリューションです。2018年4月からはソニー銀行様に採用され、今後はさらに採用企業が増える予定です。

これまでは、私たちがクレジットカードを使ってもその瞬間に取引明細が届くサービスがありませんでした。届くとしても1日ごとにEメールでまとめたものだったり、月1回の明細書で確認したりするくらいです。しかしリアルタイムで自分の利用明細を知りたいというニーズは確実にあります。そのために弊社が開発したソリューションが「CARD×DRIVE」です。

決済した瞬間、金融機関はユーザーの取引が可能かどうか、いわゆるオーソリデータを呼ばれるものを確認します。与信枠があれば決済し、なければ決済しません。「CARD×DRIVE」はそのデータと連携して取引状況をユーザーのウォレットアプリで通知します。そのときに活用しているのがBoltzEngineです。カードを使って買い物をしたら決済数秒後にはアプリのプッシュ通知が届いているほど、スピーディなサービスが実現しました。リアルタイム通知はカードの不正利用防止にもつながります。

「CARD×DRIVE」にとって、ユーザーに向けてリアルタイムに通知を出すことは非常に重要な機能なのですね。BoltzEngineを知ったのはどんなきっかけでしたか。

大山最初に知ったのは「NHK紅白歌合戦」アプリです。全国何十万人のユーザーに向けて一気に通知できるなら、レスポンスは問題ないだろうという印象がありました。もともと私たちが要件として設定していたのは秒間30件ほどのプッシュ通知で、他社では「難しい」と断られていたんです。しかしBoltzEngineは秒間3.5万件まで大丈夫だという。もう全然桁が違いますよね、予想以上のキャパにまず驚きました。

最終的にはBoltzEngineともう1社で比較検討しました。最初はサービス型で使えるものを探していて他社サービスに行き着いたんですが、社内でオンプレミス型がよいのではと意見が出て、費用や機能を見比べた結果BoltzEngineを選びました。

私たちのサービスは共通のインフラ基盤の上に複数の事業が乗る形で展開しています。プッシュ通知機能は、今後おそらく「CARD×DRIVE」以外の他のサービスでも利用するでしょう。そのときにエンジンとして同じ場所を使える、コストも抑えられる、となるとオンプレミス型のほうが適していると考えました。

問い合わせたとき、BoltzEngineの営業や技術者の印象はいかがでしたか。

内川いいですね。ウェブプッシュの機能も私たちにとって魅力的でしたが、ブラウザにプッシュ通知できる仕組みについて技術的な回答をすぐいただけたおかげで、その場でどんどん「こんなサービスはどうだろう」「こんなこともできるのでは」とシステム拡張のアイデアが広がっていったのは面白かったです。

大山また、Androidに通知を送る際にGoogleのGCMを使っていたのですが、FCMに移行するにはどれくらい乗換がしやすいか、技術的にどの点が変わるのかも詳しく教えていただきました。BoltzEngineがスマホアプリ開発用に提供しているSDKについてもお取引先のカード会社(イシュアー)が利用中の既存SDKと競合するリスクの有無を相談し、そのときはSDKを使わない方法を教えていただいて役立っています。

川本今後は1つのユーザーアプリに複数のプッシュ通知を飛ばす状況も考えられます。イシュアーがもともと持つプッシュ通知機能と弊社の通知が同時に発信できるかなど、技術については本当にいろいろ聞きましたが、ほとんどその場で解決したのではないでしょうか。他社の場合は営業の方に技術の話をしても持ち帰られることが多く、もどかしさがありました。しかしフェンリルだと疑問をすぐに解決できます。その信頼感は大きかったですね。

BoltzEngineをREST APIで利用されているとのことですが、その理由は何でしょうか。

川本一番のメリットはイシュアー個社ごとに設定が自由にできる点です。「CARD×DRIVE」は複数のイシュアーに入れるため、求められる要件が多様になります。たとえば親子カードの利用でプッシュ通知を飛ばす場合、親にも子にも同時に発信するようなケースもあります。イシュアーによってはユーザー設定でどちらかの発信のみに絞るような機能も求められるかもしれません。このような細かい設定をサービスごとに変えるにはREST APIによる接続が最も効率的です。

内川通常、オンプレミス型だとパッケージ製品のようにカスタマイズが難しいことがあるのですが、REST APIであれば自由度が高い状態でさまざまな運用ができます。これから新しいサービスを開発する際にもREST APIのほうが便利です。

BoltzEngineを導入して、どんな効果がありましたか。

内川「CARD×DRIVE」のプッシュ通知は、自分情報をすぐ知りたいというユーザーの潜在的なニーズを掘り起こせたと思います。アプリに導入後、利用者数が予想以上に上がったのでソニー銀行様もとても驚いていました。

川本あと、BoltzEngineは従量課金ではなくライセンス方式なので、月々のプッシュ通知数を気にせずにサービスを展開できるのは非常に助かっています。他社サービスの中には月々のプッシュ通知数に上限がありオーバーするとこちらが解除するまで発信を停止するものがありました。私たちのサービスはユーザーがどのタイミングでプッシュ通知を使うかわからないので、ツールの都合で停まってしまうようでは信頼性が落ちてしまいます。その点、BoltzEngineなら配信数に制限はないので、プッシュ通知数が一時的に跳ね上がっても余裕を持って処理できます。しばらくはユーザー数やイシュアー数が大幅に増えても問題ない状態です。

これからBoltzEngineに期待していることや、活用したいシーンはありますか。

内川今後は、プッシュ通知でイシュアーからユーザーにアラートを送るだけでなく、ユーザーからイシュアーにレスポンスできる双方向サービスをめざしています。プッシュ通知はユーザーと接点を持つきっかけの一つであって、そこから他のSNSと連携したり機能を広げたりするなど、開発の余地はまだまだあると思っています。

川本BoltzEngineもAPIで指定してカスタマイズできる領域が残されているので、画像や動画を使ったリッチプッシュへ展開したり、キャンペーン情報やお知らせなどのマーケティング要素を入れたりすることが可能かもしれません。この世界は新しいことを積極的に取り入れなければすぐ陳腐化してしまいます。これからも新しい技術や機能を活用してニーズの半歩先を行くシステムを開発していきたいですね。

BoltzEngineも常にブラッシュアップし、皆さんに新しい価値を提供していきたいと思います。今日はどうもありがとうございました!

企業情報

TIS株式会社

事業内容

1971年設立の旧三和銀行系列のシステム開発企業、株式会社東洋情報システムが前身。クレジットカード会社の基幹システム開発に強みを持ち、国内市場シェアは約50%で首位を誇る。現在はIT事業のコンサルティングのほかシステムインテグレーションのトータルサービス、高いセキュリティ技術によるシステム開発などを展開。最新技術を取り入れる独自ソリューションは金融業界にとどまらない幅広いジャンルのパートナー企業から信頼を得ている。

設立

1971年

URL

https://www.tis.co.jp/

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